
安全・安心・快適で長持ちする一戸建てを建てるには、頑丈な構造や生活しやすい作りが鍵になります。
そのためには、設計がしっかりしていなければなりません。設計と聞くと専門的で難しいと思いますが、自分が住む大切な家ですから、最低限のチェックポイントはおさえておきましょう。
設計図書の種類と見方を覚えましょう!
重要な図面はそれほど多くありません。
設計について確認するには、設計図書を手に入れるのが前提になります。
一戸建てを建てる場合は、施主として設計図書を必ず見るはずです。建売住宅の場合でも、要求すれば売主である不動産会社などに設計図書を見せてもらえます。
設計図書と聞くと、素人には難しく、またわかる必要もないと思う人が多いかもしれません。しかし、もともと発注者の希望や要求を反映した図面を作り、それをもとに工事が始まります。設計図書が建物の間取りや構造、材料、そして家族の暮らし方まで左右する大切なものなのです。
自分では要望や条件を十分に設計者に伝えてると思っていても、それが図面に反映されているかはわかりません。
出来上がったあとに、思っていたのと違った住み心地になったなどと後悔しないように、施主あるいは買主としても設計図書そのものを見て、違っていないか確認する必要があるのです。
さらに、工事をチェックする場合も、設計図書と見比べることが大切てす。設計図書の大まかな種類と概要がわかると、スムーズに確認ができます。
敷地配置図で確認できるのは、建物の位置や敷地高低差
設計図書の重要なものについて解説します。
敷地配置図には、建物やカーポートの位置が表示されています。普通に見るのではなく、建物の外壁から隣地や前の道路までの距離がどれくらいか数字でチェックし、プライバシーなどの問題がないか確認しましょう。物置や庭などについても、大きさを確認します。
敷地配置図は、敷地の高低差もわかります。通常、前面道路の側溝部分にBM(ベンチマーク)という表記があります。
これは土地の高さの基準点で、図面中の+や-の付いた数字は、BMとの高低差を表しています。たとえば、+50の地点はBMより50mm、つまり5cm高いということになります。
ベンチマークは建物の高さを示す基準にもなります。断面図などには、GL(グラウンドレベル)と表記された線があり、これがベンチマークの高さと同じになります。
基礎を確認するには基礎付図
建物を支える基礎を確認するには、基礎付図を見ます。これは、基礎を上から見た図面で、基礎の種類、形状、鉄筋の太さと配筋間隔、アンカーボルトやホールダウン金物の位置、柱の種類と位置などが記入されています。
平面図はたくさんの情報があり、現場で付き合わせ確認を!
設計図書の中でも、各階平面図にはたくさんの情報が記入されています。しかも、書き方や書いてある情報が、会社や設計者によってさまざまなのです。そのなかでも、特に重要なのが建物の耐震性を支える通し柱です。さらに見るのが筋かいです。
筋かいは何十本も入れるので、時々忘れることがあります。入れ忘れがないかを確認するには、平面図と施工途中の現場を照らし合わせながら見るようにしましょう。
その他、部屋の配置、各部屋の戸の種類、開く向き、収納スペースの確認。キッチンに食器棚や冷蔵庫、ダイニングに食卓やイスは置けるかなども、平面図でチェックしましょう。
住みやすい間取りのポイント!

家を建てるとき、間取りについて悩む人が1番多いと思われます。
家族の人数や年齢、住まいに求めるものなどによっても異なります。また、今はベストな間取りでも、10年後や20年後は変わるかもしれません。むしろ、違うのが普通だと思います。
よって、間取りについては、これがベストということはなかなかありませんが、間取りを考えるうえでのポイントを紹介します。
上階と下階の壁の位置をそろえる
日本は世界の中でも地震が多い国です。建物の耐震性は重要です。間取りと耐震性は大きな関係があります。地震で崩れなくする重要なのが、筋かいや構造用合板の耐震壁です。
耐震壁は、地震の強い揺れを受け止め、柱の梁の変形を防ぎます。建物が2階建て以上のとき、この耐震壁の位置が上階と下階の位置がそろっていると、耐震性が強くなります。
窓の位置などが制約されますが、いざというときの安全を考えれば、耐震性を優先しましょう。
省エネ性能が高いほど開放的な間取りか可能になります

広く開放的な間取りにしたいけど、吹抜けを作ると冬は寒くなりますと建築士から言われたという話がよくあります。今までの省エネ性能の低い家ではたしかに寒くなります。
しかし、現在は建物の断熱性を高め、省エネ性能が優れた家なら、実は吹抜けなどの開放的な間取りにしても寒くありません。家の中全体が同じ温度になり、快適で健康的な住まいになります。建物の性能によって、間取りの作りも変わってきます。
建物の省エネ性能は、1999年に国が定めた次世代省エネルギー基準です。国では、2020年までに、全ての新築住宅を義務づけることを決めています。
西側の窓はなるべく小さく縦長に
窓の大きさや位置も、この断熱性に関係しています。
たとえば建物の西側に窓があると、西日が部屋に差し込みます。2m?2mの大きな窓なら、小型のエアコン1台分くらいの熱が入ると言われています。西日の熱で床や壁が熱くなると、夜になってもなかなか室温は下がりません。
夏を快適に過ごすには、西側の窓を小さくするようにしましょう。さらに、窓は横長ではなく、縦長にすることで室温の上昇が抑えられます。
将来の変更に対応できる可変性に
間取りでさらに大切なのが、リフォームです。
リフォームは、耐震壁が問題になります。なぜなら、耐震壁は基本的に取り去ることができません。間取りを変えやすくするには、できるだけ建物の外壁部分に耐震壁を設置しておくことが重要です。建築士と相談してみてください。
木造住宅は簡単にスリーブの穴を開けれるから大丈夫などと言う業者もありますが、簡単に壁に穴を開けることは、耐震性、断熱性、気密性、防水性などの低下があり非常に問題です。
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