頭金以外に諸経費の準備も忘れてはいけない!

頭金以外に諸経費の準備も忘れてはいけない




貯蓄額=頭金に使える額ではない

貯蓄が1000万円あるので、それを頭金にする人も少なくありませんが、これは間違いです。マイホームを購入するには、登記費用やローンの保証料、引っ越し代などの諸経費がかかります。

目安としては、新築なら物件価格の5~7%程度。中古の場合は不動産会社への仲介手数料がかかるので、物件価格の10%がかかるようになります。

4000万円の物件なら、新築の場合200万~280万円、中古の場合400万円ほどは必要になります。実際にはこの額よりもっとかかることも考えられます。

例えば、一戸建てを建てるケースでは、上棟式などの費用も予想しておく必要があります。水道費込みや外構工事の費用が、見積もり額に含まれているかどうかも確認しておきましょう。

 

借入額を増やす諸費用ローンは組まない

諸費用は、重なると予定外に大きな金額になりがちです。さらに、現金で支払わなくてはなりません。前もって、かかるお金を計算して、現金が足りないということにならないようにしましょう。

住宅ローン以外に、諸費用ローンというのもありますが、諸費用までローンを組むと、借入額ばかり増えてしまいます。

諸費用に使えるお金も貯まっていない状態でマイホームを買うのは止めて、まずはお金を貯めるようにしましょう。マイホーム購入の費用は、家の取得にかかる費用、住宅ローン、その他の三つの区別になります。




銀行や保険会社は自分で選ぶ方がお得になる?!

諸費用のうち、特に注意してほしいのが、火災保険料と地震保険料とローン取り扱い手数料です。

不動産会社は損害保険会社の代理店を兼業していることが多く、マイホーム購入時に、不動産会社に勧められるままに火災保険や地震保険に入る人が少なくありません。

しかしこのような保険は自分に合ったものを選ぶほうが保険料を安くできる可能性が高くなります。最近はインターネットで契約できるお得な保険も登場していますので、不動産会社が勧める保険はよく検討してから加入しましょう。

さらに、諸費用の一覧表を受け取った際、住宅ローン取り扱い手数料と書いてあれば要注意になります。

これは、ローンの申し込みを不動産会社にまかせるための手数料なのですが、自分で銀行を選んで手続きすれば、手数料はいりません。一般的には3万~10万円+消費税がかかりますので、安い額ではありません。

ただし、新築の物件の場合は、不動産会社の提携ローンを使ったほうが登録免許税の軽減が受けやすくなることがあります。

販売事業者にどれくらいの登記費用が安くなるのかを確認し、提携ローンを利用するとかかる、住宅ローン取り扱い手数料と合い見積もりをかけて検討してみましょう。

ローン事務手数料というのもありますが、これは銀行に支払うものなので、ローンを借りる場合は必ず必要な費用になります。

他には、マンションの修繕積立金や不動産取得税も確認しておきましょう。修繕積立金は、50万円~70万円程の金額を一括払いするようなケースもあります。不動産取得税は、住み始めて忘れた頃に納付書が届いてあわてる場合があります。前もって確認しておきましょう。

 

頭金と諸費用を用意して別に200万円残す

住宅ローンを利用する際は、頭金と諸費用を出して、別にいざというときのための貯蓄も確保しておく必要があります。

今の時代、いつなんどき何が起きるかわかりません。給与が低くなったり、リストラされたり、病気やケガで働けなくなったりなどのリスクもありますし、自分ではなく家族が病気になることもあるかもしれません。

予想外のことが起きたときに対処できるように、ある程度の貯蓄をいつも用意しておきましょう。いざというときの金額は、少なくても200万円は準備しておきましょう。

また、子供の教育費として貯めているお金は、いざというときのお金とは別に確保しておきましょう。

いろいろと考えると、たとえ貯蓄が1000万円あっても、頭金に使える金額は少なくなります。4000万円の新築物件を買うとして、諸費用が280万円、いざというときのお金を200万円残しておくとすれば、頭金にまわせる金額は、約520万円になります。

なお、両親から資金援助を受けられる場合は、その金額を頭金に足してもよいでしょう。

貯蓄額が少なく、頭金にあてるお金もないし、いざというときの貯蓄もほとんど残せないという人の場合は、まだマイホームを買うのは止めておいたほうが無難です。

先のことまで考え、安心して住宅ローンを組めるよう、必ず自己資金を貯めてからにしましょう。