銀行ローンの金利タイプと金利優遇のしくみとは?




住宅ローンには三つの金利タイプがあります

住宅ローンを組むときの重要なポイントになるのが、金利タイプです。金利タイプは、変動金利型、固定金利選択型、全期間固定金利型の三つのタイプがあります。

 

変動金利型

変動金利型は、半年に1度、金利の見直しが行われます。よって、金利が約束されているのは6ヶ月だけで、その後は金利が上下する可能性があります。

変動金利型は、借り入れ時点の金利が他の金利タイプより低くなるのが特徴ですが、金利上昇リスクは一番高いといえます。変動金利型のローンでは、原則として金利が上昇しても毎月の返済額はすぐには変わらず、5年間は同じ額で据え置かれるというルールがあります。

変動金利型で借りた場合は、利用中はいつでも固定金利選択型に切り替えることが可能です。

ただし、多くの銀行では、切り替える場合は、固定金利選択手数料が発生します。5000円から高い場合は30000円程かかる銀行もあるので確認しておきましょう。

固定期間満了時には、前もって銀行から今後の事を尋ねる通知が届きます。引き続き、固定金利選択型を利用したいときは、銀行に連絡して固定金利選択型の手数料を払うことになります。

そのままにしておけば、自動的に変動金利型に変わる仕組みになります。固定期間満了後は、再度金利タイプを選び直すことになります。

最初の借入時に10年固定を選んだとしても、再度、10年固定を選ばなくてはならないわけではありません。3年固定や5年固定を選んだり、変動金利型にすることも可能です。

 

固定金利型

固定金利型は、3年、5年、10年、20年など、選択した期間は金利が変わりません。多く選ばれているのが、3年固定、5年固定、10年固定です。この中でも10年固定は、銀行の主力商品になっています。銀行同士の競争が激しいため、金利が割安になる場合が多くおすすめです。

全期間固定金利型は、完済するまでの間ずっと同じ金利が続くというプランです。長いプランだと、30年や35年固定になります。住宅金融支援機構のフラット35は、このタイプになります。

返済期間中に金利が上がって返済額が増えるリスクが無いので、安定した支払いを求めている人に向いています。ただし、長い期間にわたって金利が固定されるので、ほかのタイプより金利は高めになります。




 

ローンの金利を決める、割引や優遇の幅とは?

住宅ローン金利を確認する時に注意してほしうのが、ローン金利に基準金利があり、割引や優遇を受けて適用金利が決まってくるということです。

銀行の店頭や不動産の広告などでの、10年固定金利で1.05%などの金利は、適用金利を表示しています。

同じ10年固定でも、銀行によって基準金利や割引の幅は違うので、よく確認しておきましょう。

 

契約時の約束事項で先々の金利に大きな差が?

このしくみを知っておくことは非常に重要になります。金利の割引幅が、将来の適用金利を予測するうえで重要なポイントになります。

変動金利型から固定金利選択型に切り替える場合、あるいは固定金利選択型の固定期間が満了して、再度金利タイプを選択する場合の、金利の決まり方を確認してみましょう。

たとえば、10年固定を1.05%で借りた場合、10年後の金利はどうなるのでしょうか?

10年後、選んだ金利タイプの基準金利が4%だったとします。適用金利は、ここから契約時に約束した金利割引分を差し引いて決まることになります。

もし契約時に固定期間満了後の金利割引は1.4%と約束していれば、、適用金利は2.6%になります。しかし、固定期間満了後は金利割引が0.4%という約束なら、適用金利は3.6%になってしまいます。

10年間の適用金利が同じでも、固定期間終了後の金利割引幅は銀行によって変わります。10年固定なら11年以降の金利の割引幅がどのくらいなのかも住宅ローン選びの重要なポイントになります。

実際には、ローンを借りる際には借り入れ時の金利ばかりを考えて、金利の割引幅については確認していない人が多いのです。

住宅ローンは、適用金利だけでなく、将来の金利タイプを変動したときの割引幅も確認して選ぶようにしましょう。

適用される金利はいつ決まるのか?

金利については、もう一つ重要なポイントがあります。それは、銀行ローンやフラット35では、融資実行時点での金利が適用されます。

新築のマンションを購入する場合は、入居の申し込みから実際に入居するまで、半年~1年程度の時間があくことがあります。このため、ローンを申し込んだときから融資実行日までの間に金利が大きく変動することもあります。

金利が上がってしまえば返済額に影響がでてしまいますので注意が必要です。

公的融資である財形住宅融資の場合は、融資を申し込んだ時点での金利が適用されます。金利が上がる傾向の時は、早い適用金利が確定するため、資金計画が立てやすいメリットがあります。